【12】

       月明りの下 (ワケ分からん;)


"ゴォォォォォォ…"

ドライヤーで髪を乾かすナックルズ

チキショー… やっぱドライヤーじゃぜんっぜん乾かないな…
ちょっとその辺飛んでくるわー
ナックルズって、いつもそうやって髪乾かしてるんだー へぇ〜

…うるせぇよ


いつものグローブを両手に着けて… サンダルも忘れずに、
バルコニーからTake off!


っウ――――!キモチイ――――!!



眼下に広がる夜の砂浜に、ひとりのヒト影があった

あれは ルージュ…?

ナックルズに気付いて上を見上げるルージュ
ナックルズを呼んでいる

ナックルズ降下


なんの用だ?

アンタに聞きたい事があったの。
「グレイライン」ってヤツの事

グレイライン…!

今、ナックルズが一番聞きたくない名だった

久しぶりに様子を見に行ったら、
知らないヒトがいてビックリしちゃったわよ
島に行ったのか!? ヤツはあそこで何をしていたんだ!?

エメラルドを… 護っていたわ、全く隙がなかった
それに、なんだか慣れた感じだったし…  何者なの?



…話すと長くなる、その辺に座ろう

月明りの下、ベンチに座って、語る お互いに目は合わせない




グレイライン

曇天色の毛色
雪のように白い肌
天を突いて尖った鼻
静に燃える淡紅色の瞳
全てを聴き集める大きな耳
彗星の如く長い尾を引いて宙を舞う

                             …大げさじゃない?ソレ




「おまえが今のマスターエメラルドのガーディアンか?
…私に侵入を許すとは、ガーディアンの質も落ちたようだな。」



「青いな、ガーディアン。」



「ひとりで、だと…?それならなおのこと、
おまえのもとにマスターエメラルドは置いておけぬ!」



「近年の度重なる失態… 次は無いぞ。」




おまえはマスターエメラルドに愛想を尽かされたのだ

「混沌を統べるものよ、其の身に心を映し、歓喜と破滅を生み出すものよ…」

「此の者を地上へ」


マスターエメラルドは 私が護る。






ナックルズ.....、おまえは"自由"だ。






マスターエメラルドに愛想を尽かされた って…
エメラルドが、ガーディアンを乗り換えたっていうの?


…そうだ オレはヤツに 負けた…っ

その言葉にルージュは少し驚いて、ナックルズの方に顔を向ける

…珍しいわね、アンタが弱気になるなんて

エメラルドが決めた事だからな…


それで、アンタは諦めたの?


その言葉にナックルズは少し腹を立てて、ルージュの方に顔を向ける

諦められるわけないだろ! あの島はオレの故郷だ!!

だったら、奪い返せばいいじゃない。
グレイラインに勝って、アンタの故郷を奪い返せばいいじゃない。
だが 今のオレの力では…

負けたって事は、アンタには何か足りないモノがある…
まずはそれを探してみたら? せっかく自由の身なんだから。

"自由"の身… 自由……?




ふたりはいつの間にか 見詰め合っていた

……!

慌てて目を反らすナックルズ


「近年の度重なる失態」の中にはなぁっ
オマエにエメラルドを盗まれた件も入ってるんだぞ!?


なによ、いきなりそんな話蒸し返して。


ルージュがナックルズの肩に両腕を回す

…でも、アタシも完全に諦めたってワケじゃないけど ね…
な、なんだ オイ… よせっ

ナックルズの赤い顔が、また更に赤く染まる




月明りの下、徐々にふたりの顔の距離が近づいてい
こんばんは〜    …?




ふたり仲良く ベンチから転げ落ちた

ト トカゲちゃん!? こんな夜遅くに何してるの!?
コーヒー飲みすぎちゃってねむれないから おさんぽ。

早くどいてくれ… 重い まっ!シツレイね!

ねーねー なにしてるの?

そんなコト気にしなくていいのよ…v
子供は早く寝なさいっ!!!

えぅっ こ こわ ぃ… うっ; …あ゛ぁぁぁぁぁん;;

あ〜あ、泣かした…エェ!?;
ち、ちょっと これぐらいの事で泣かないの!

わ゛あぁぁぁぁぁ… ぁ ぁ;;;

月明りの下、ピュウバートの泣き声が響き渡る

…あ、髪乾いてる。それじゃオレ帰るから! (逃)
待ってェ! どーするのよコレ!?ああああああぁ〜〜ん;;;








ホテルへ帰ってきたナックルズは、壁を登って自分の部屋へ戻ろうとしたが…
窓のカギは閉められていた

あ…?; クソッ ソニックだなっ!

"コラァッ! ソニックカギ開けろ! …シカトすんなぁ!起きてんだろオイー!!"
"ドンドンッ"

無視しているのか、それとも本当に眠っているのか、
一番窓際のベッドで眠るソニックは無反応
ナックルズは仕方なく月明りの下、バルコニーで一夜を明かした
フロントに言えば、表のドアのカギを開けてもらえる事にも気づかずに
"ドドドドッ "
ォわぁぁぁぁあ!!?
キャァァァァァ!!?
キャァァァァァ!!?
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