【25】

これが見たくて


ソニックはエミーを連れて
どんどん山奥へ入っていった

そしてようやく立ち止まったのは
落差10メートルとなさそうな小さい滝以外
特に何も無い場所だった


ヒュウ、間に合った〜

ここで何かあるの?

まあ見てなって

…?
朝の浅い角度の太陽は
滝に周りの木々の影を落としていた

時間の経過と共に太陽が高く昇り 
影が短くなって滝から離れた時

小さな滝に相応の小さな虹が掛かった



26点。


わー…!

この滝は「精霊が降りる滝」って呼ばれてて
毎朝ほんの少しの間だけ虹が出るんだ

ステキ〜
でも なんでアタシ達以外誰もいないの?


ここのことは知り合いから聞いたんだけど
地元のひとが荒らされるのを嫌がって、観光地化に反対したらしいんだ

静かでとってもいい所だもんね
…ずっとこのままだといいな

こんな山奥に普通の観光客は来ないし、雑誌とかの取材も一切禁止!
噂で知ったやつだけが来る隠れた名所になってるってワケさ。


オレはこれが見たくてこの島に来たんだ…


嬉しそうなソニックの横顔を見てエミーは思った

(来て良かった…)
あっ

太陽が少しづつ角度を変えて 虹は消えていった

あ〜あ、消えちゃったぁ
本当に少しの間だったな〜

さぁて 目的のものも見れたし
行くか!
うん!
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