【2】
子トカゲはもうろうとした意識の中 冷え切った体を動かして なんとか水から這い出した そして夏の終わりの太陽に じっくり じっくり温められると 子トカゲはやっと立てるようになった ここがどこかなんて全然知らない 誰か居そうな気配はないし 辺りを見ても木ばかりで どうしよう と思いながら 子トカゲはとにかく勇気を出して 森の奥へと歩いて行った 草木が覆い茂る道無き道 天気は良かったはずなのに 森の中は薄暗く ひんやりしている… |
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「侵入者発見! 侵入者発見!」
子トカゲの前に突然 タマゴから手足が生えたような
丸っこいロボットが飛び出してきた!
そして 驚きすくみ上がった子トカゲに
丸っこいロボットはいきなり銃を向けて
「警告! ココハ偉大ナル天才科学者
どくたー・えっぐまん様ノ所有地デアル!」
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気持ちの良い日差しが差し込む書斎 そこに侍女風のロボットが 主へ飲み物を運んで来た 「エッグマン様、コーヒーをお持ち致しマシた」 「うむ。」 さっきから侵入者を知らせる警報が鳴っているが 落ち着き払った様子でコーヒーを口にする男 ドクター・エッグマン この自称天才科学者は 自作自慢の機械による世界征服を夢みて まず手始めにここ一帯を勝手に自分の領土としているのだった 「ん〜… 今日のコーヒーも最高に美味いのう!」 「全てはエッグマン様のお力でございマス.」 「全くその通りじゃ。ホッホッホッホ」 いつもの様に自分で組んだプログラムで悦に浸っていると 警報の発信元 領地を巡回中の警備機から通信が入る "えっぐまん様、侵入者ガ退去勧告ニ応ジマセンデシタ! イカガイタシマショウ!" その報告はエッグマンの予想に反するものだった というのも 今までも彼の領地に迷い込んでくる者はいたが そのどれもが 警備機と目が合った途端に逃げ出す腰抜けばかりだったからだ |
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「ほう… 侵入者をこっちへ連れてよこせ ワシが直々に相手してやるわい」 "いえっさー!" 「侍女長、客室の準備をさせろ これを飲んだらすぐに始めるぞ」 「かしこまりマシた」 これで退屈な午後の暇潰しが出来る エッグマンは そんな軽い気持ちで侵入者を待ち構えていた 一方 丸っこいロボットは 侵入者を小脇に抱え 主の元へ急いでいた |
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上り坂を上り 下り坂を下り
森の奥のそのまた奥へ進んで行くと
それまで木しか見えなかった景色が開けて
目の前に奇妙な建物が現れた
それはエッグマン悪事の本拠地にして安らぎの自宅
『エッグマンハウス』…!! |
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