【3】
「警備機から逃げずに留まるなど、 どんな度胸のある奴かと思ったら まさかこんなチビっ子だったとは…」 侵入者として拘束された子トカゲが連れて行かれたのは 客室とは名ばかりの狭い部屋だった 怖そうな中年男に面と向かい 後ろからは赤と青のロボットに見張られて 子トカゲはすっかり縮こまってしまっていた 「アイアンナイツを出すまでもなかったな… まぁいい。オヌシ、名前は?」 「ピュウバート・・・」 「聞こえーーん!! もっと大きい声で!」 「ピュウバートぉ!」 「よーし。じゃ次、誰かに言われてここへ来たのか? 危険物とか持ち込んでないだろうな?」 「…? わかんない…」 「事前の身体検査ニおいて、この者は身に着けてイる 衣類の他には何も所持していなかったそウです.」 |
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「ふむ… どっかのスパイでもない、か… じゃー次、どこから来た?」 「ん んと、めがさめたら川にいて… そのあと森のナカあるいてたら まぁるいのにもってこられちゃって…」 「その前は?」 「そのまえは…スッゴクさむいトコにいたきがするけど よく わかんない…」 「よく分かんないって、住んでた場所は?」 「わかんない…」 「行こうとしてた所とかは?」 「わかんない…」 「あのな、さっきから分からん分からんばっかりじゃ仕様がないじゃろ!」 「だって…わかんないものはわかんないんだもん…」 「…はぁ… どうしたもんかなぁ…… っとぉ そもそも何でワシが迷子の相手をしなきゃならんのだ!?」 「ドクターが連れて来させタからっス.」 「っっ…; ああもう休憩じゃ休憩!! "ピッ" 侍女長!」 "お呼びでございマスか?" 「コーヒーを。 あと、チビっ子にジュースでも出してやれ」 「あっ えと… ボクもコーヒーがいいな…」 「あ〜ん? ずうずうしいヤツじゃのう 後で苦いとか言っても替えてやらんぞ。 さっきの取り消し コーヒー2杯じゃ」 "かしこまりマシた" 頼んだコーヒーは それから1分と経たない内に運ばれて来た 侍女風のロボットがドアを開けて入ってきた瞬間から 部屋中にいい香りが漂う 「イタダキマス……… !! オイシイ〜!」 「おっ、子供のクセにこの味が判るのか! これほど美味いコーヒーは他にないじゃろ!」 「そうだねぇ、なかなかないかもねぇ… ね、このコーヒーどうやって入れたの? なんかトクベツなコトしてるの?」 「なんじゃ小僧、コレを作る所が知りたいのか?」 「しりたい。」 子トカゲの真剣な眼差しが エッグマンの自己顕示欲を刺激する 「…いいじゃろう 来い!」 |
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